SO-DO / STUDIO WORKS '83-'85 -LP- TIME023
Label : TIME CAPSULE
Format : LP
Tracklist
A-SIDE
Get Away(1985)
Kakashi(1984)
Hashiru(1984)
B-SIDE
So Do(1983)
Nothing(1985)
Natural Wave(1983)
Morning(1985)
【時代に埋もれた名作。長野の超実力派バンドSo-Doによる幻の80年代自主制作音源が現代の再マスタリングを施され復活。ダビーなニュー・ウェーブ・サウンドが40年の時を経て現代に鳴り響く!】
NYのトーキング・ヘッズにとってのCBGB、ロンドンのセックス・ピストルズにとってのRoxy、そして長野のSo-Doには『仏陀』という場所があった。街角の小さなライブ会場がインディペンデントな音楽シーンを支えてきた例は海外に多くあったが、当時の日本では”ライブハウス”という概念そのものがまだ比較的新しいものだった。
そんな時代のSo-Doの物語はありふれていながら、同時に非常にユニークだった。英才音楽教育を受け、バイオリンからサックスまで弾きこなすマルチ奏者でありながら、ボブディランに影響を受けた詩人肌であるシンガーの飽田英史、そして全国を旅した元ヒッピーで、サイケデリア、ポストパンク、ダブに傾倒するライブハウスのオーナー竹内敦夫の二人は、彼等が結局離れることのできなかった地元、長野で出会う。竹内が経営していた長野の伝説的な元祖ライブハウス『仏陀』に集まったバンドメンバーを抱え、日本各地のインディペンデントなライブハウスを巡り、83年からの2年間で7インチ2枚と12インチ1枚のシングルを自主制作。時代と場所を超越した音楽性の高さとトリッピーな音響処理が施された名作を残すも、地方で制作されたこれらの自主制作盤は歴史の影に40年間もの間そのまま埋もれて行く事になった。
本作、Studio Works ’83-’85には、このポストパンクバンドの当時のスタジオ作品の全音源を収録。非常に高い演奏力と歌唱力を誇り、ミニマルかつシンコペーションが効いたアレンジは、本人達が当時どれだけ意識していたかは別として、Dennis Bovellが手掛けたOrange Juiceのプロダクションや、Public Image LimitedのJah Wobble的ベースライン、Adrian SherwoodによるMark Stewartのライブ・ダブをも彷彿させる。更に40年の時を経て英国の名門メトロポリス・スタジオがオリジナルのマスターテープから再マスタリングを施した事で現代的な迫力ある音場空間に蘇った。
シンガーで作詞作曲を担当する飽田にとっての音楽活動は、地方都市の閉塞感から抜け出すための手段だった。「Kakashi」や「Hashiru」に漂うメランコリックな虚無感、そして「Get Away」や「Nothing」では中流階級の不平等や無関心を鋭く批判。プロデューサーとして機能していた竹内の影響で、So-Doのサウンドはダブへと傾倒。その音楽の持つ政治的メッセージや、シンプルで空間を活かしたリズムに魅了された飽田は、自己を内省するような彼の歌詞がそのリズムの上に自然に収まる可能性を感じ取っていた。皮肉でファンキー、そして生々しいエネルギーに満ちた楽曲群を作り上げ、理想主義に燃えていたかつての精神が、バブル経済期の空虚な約束に擦り減らされ、幻滅していく模様が描かれている。「だが俺は走る 」と飽田は『Hashiru』で歌う。その声には挑戦的でありながら敗北感のこもった怒りが表れている。「もっと走る 強く走る まわりがどんどん見えなくなる 時が軋む 俺は走る」。飽田の歌詞は、多くの優れたポストパンクの詩人たちと同様、衰退する社会への辛辣な批評でありながら、自らもその現実から逃れられないことへの自虐的な自覚を伴っている。かつて「未来」があったかもしれない。しかし、それは今日ではなく、明日でもないかもしれない。飽田の歌詞には、そんな不確かさと現実への諦念が深く刻まれていた。
So-DoはTime Capsuleが昨年からリリースしてきた70年代・80年代日本のレゲエ関連作品の系譜の延長とも捉えられる。高評価を受けたTokyo Riddimコンピレーションシリーズ、そしてロンドン拠点の英日混合バンドTokyo Riddim Bandの作品や活動とはまた違った角度からのレゲエの影響を伺う事が出来る。80年代DIYの精神を体現し、短期間で強烈な輝きを放ったSo-Do。バンドは現在も形態を変え活動を続けているが、当時の貴重なエネルギーは圧巻、必聴。
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